忙しそうな同僚に声をかけるときも、友人をお茶に誘うときも、「気を遣わせてしまわないかな」と迷うことはありませんか。丁寧に伝えたいと思うほど言葉が増えて、「無理しないでね」と何度も書き足したくなることもあります。
気を遣わせない気遣いを考えるときは、手助けや誘いの中身が分かることと、相手が受け取るかどうかを選べることを大切にしたいものです。この記事では、職場や友人とのやり取りを例に、声をかける前から返事を受けた後までをたどります。
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以下の会話例は、編集部が日常の場面を想定して作成したものです。
手伝うときは、できることを具体的に
会議の前、資料を並べながら椅子も動かしている同僚に声をかけるなら、「椅子を並べましょうか」と作業を挙げられます。何を頼めるのかが分かると、同僚も準備の進み具合に合わせて返事をしやすいでしょう。
ただ、途中で出かける予定があるなら、そのことも先に伝えておきたいところです。「準備は手伝えますが、片づけの時間には戻れません」と分かっていれば、相手も片づけまで任せるつもりで待たずに済みます。
誘うときは、内容を先に伝える
手助けでは「何ができるか」が大切でしたが、誘うときは「どんな予定なのか」が判断の手がかりになります。「土曜日、空いている?」だけでは、近所でお茶をする話なのか、一日出かける話なのかは分かりません。
「土曜の午後、駅前の喫茶店でお茶をしませんか。私は3時くらいまでいるつもりです」。このように場所や過ごし方が分かると、相手も自分の予定に重ねて考えられます。親しい友人なら、いつもの口調で「よかったら一緒にどう?」と添えるのも自然です。
一方、予約が必要な食事なら、いつまでも返事を待てるわけではありません。「金曜日に予約するので、木曜の夜までに教えてもらえると助かります」と、期限の理由まで伝えておきます。返事の期限があることを初めから知らせておくのも、相手が予定を考えるための気遣いです。
連絡では、返事が必要かをはっきりさせる
誘いへの返事と同じように、仕事や友人との連絡にも、回答が必要なものと、知らせるだけでよいものがあります。たとえば、話題に出た展覧会の案内を送るだけなら、「昨日話していた展覧会のページです。参考に送りますね。返信はお気遣いなく」と添えられます。
ただ、資料の確認をお願いするメールにまで「返信不要」と書くと、こちらが待っている回答は伝わりません。文化審議会の報告でも、遠慮した曖昧な言い方によって、必要な情報が伝わらなくなる場合が挙げられています。連絡の目的に合わせて、次の二つを分けて考えましょう。
確認を頼むなら、「案内文の集合場所が合っているか、明日の午後までに教えていただけますか」のように、見てほしい箇所を絞れます。
返事を待つ間も、「念のため」と同じ連絡を重ねていないかは気に留めたいところです。締切を伝えてあるなら、まずはその時間まで待ちます。急に予定が変わったときには、確認を早めてほしい理由を添えると、最初の連絡との違いも伝わります。
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差し入れは、受け取り方まで考える
休憩室へ差し入れを持っていき、みんなで一緒に楽しみたい日もあるでしょう。そんなときは「お茶の時間に一緒にいかがですか」と誘えます。好きなときに手に取ってほしいなら、「ここに置いておくので、休憩のときによかったらどうぞ」と伝えるのも自然です。
手渡した直後に「今、食べてみて」「どう、おいしい?」と聞くと、まだ別のことをしていた人にも、その場での反応を求めることになります。せっかく選んだものの感想は気になっても、あとで相手から話してくれたときに聞くくらいが、ちょうどよい場面もあるでしょう。
断られたあとにも、いつもの調子で
「よかったら」と声をかけても、都合が合わなかったり、今は手助けを必要としていなかったりすることがあります。ここまでの言葉に加えて大切なのが、断られた後の受け答えです。
友人から「今週はやめておくね」と返事が来たら、「分かった、また一緒に行けるときに」と受け止める返し方があります。別の日をその場で次々に提案すると、相手はもう一度、誘いを受けるかどうかを考えることになります。「来週なら行けそう」と相手から話があれば、そこから日程を相談する流れが自然です。
同僚に手伝いを断られた場面なら、「分かりました」と応じて、いつもの仕事の話に戻るくらいでもよいでしょう。後になって手伝いを頼まれたら、そのときの予定に合わせて、できることを答えれば十分です。最初の申し出を、いつでも何でも引き受ける約束にする必要はありません。
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