過去への執着の手放し方|何度も思い出す時の対処

過去への執着の手放し方|何度も思い出す時の対処

ベッドに入ると、別れた相手との会話や仕事での失敗が浮かぶ。「あの時、別の言い方をしていたら」と考えているうちに、寝つけないまま時間が過ぎる。忘れたいのに同じ場面が戻ってくると、いつまで引きずるのだろうと不安になります。

目標は、思い出した後に今日の予定へ戻れる状態です。記憶を消そうと力む必要はありません。今から変えられる問題が残っているなら、一つだけ行動を決めます。もう変えられない出来事を繰り返し考えているなら、考える時間を昼間に移し、終わる時刻を決めましょう。

この記事では、解決できる問題と同じ問いを繰り返している状態を見分ける方法、書き方、SNSとの距離、後悔への対応、思い出した直後に目の前へ戻る方法を説明します。眠れない、食べられない、仕事や家事が止まる時の相談先もまとめました。

先に結論

過去のことが浮かんだら、今から変えられる問題が残っているかを確認します。残っているなら、連絡する、謝る、手続きをするなど、次の行動を一つ決めてください。もう変えられない出来事なら、考える時間を昼間の10〜15分に移します。時間が来たら紙を閉じ、目の前の作業へ戻りましょう。つらい記憶で睡眠や食事、仕事が崩れている時は、セルフケアだけで抱えず相談先を使ってください。

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目次

まず、今から変えられる問題が残っているか確かめる

過去を思い出した時は、「今からできることがあるか」を最初に確かめます。問題が残っているのに忘れようとすると、必要な連絡や手続きまで先送りになり、気がかりも続きます。

残っている問題今できる行動そこで止める目安
自分の言葉で相手を傷つけた言い訳を加えず、傷つけた点を謝る返事を求めず、相手の判断を待つ
仕事の失敗に対応が必要影響を確認し、上司や関係者へ報告する決めた再発防止策を実行する
返却・解約・名義変更が残っている手続きと期限を確認する完了日を記録して書類を保管する
相手から繰り返し連絡が来る返事の範囲を決め、必要なら相談する自分の安全を優先して距離を取る
今から変えられることがない考える時間を決め、今日の予定へ戻る同じ問いに新しい答えが出なくなった時

行動を一つ決めたら、同じ問題を一日中考える必要はありません。次に考える日や、相手の返事を待つ期限を予定表へ入れ、それまでは今日の仕事へ戻ります。

行動できることがなく、同じ質問だけが繰り返される時は、考える時間と場所を変えます。

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答えが増えない時は、考える時間を昼間に決める

「なぜあんなことをしたのか」「本当はどう思われていたのか」と考えても、新しい情報がない限り答えは増えません。心理学では、つらい内容へ注意が向き、同じ考えが繰り返される状態を反すうと呼びます。

自分に「考えるな」と言い聞かせると、かえって気になりやすくなります。そこで、考える時間を昼間に10〜15分だけ取り、夜に浮かんだ時は「明日の○時に考える」とメモしてください。翌日になって考える必要がなくなっていたら、予定を取り消して構いません。

決めること避けたい決め方
時刻昼休みの12時45分から寝る直前、仕事中の空いた時
長さ10〜15分答えが出るまで続ける
場所机やダイニングベッドの中
終わり方次の行動を一行書いて紙を閉じる相手のSNSを見始める

決めた時間になったら、頭の中で考え続けず、紙へ書きます。書く内容は三つです。起きたことと自分を責める言葉を別々に書けば、混同を防げます。

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事実・推測・自分への批判を書き分ける

紙には、事実、推測、次にすることの三つを書きます。「自分は何をしても駄目だ」のような批判は、事実の欄へ入れません。自分への批判として別に書き、その言葉を裏づける出来事が本当にあるかを確かめます。

別れた相手を思い出した例仕事の失敗を思い出した例
事実一か月前に別れ、今は連絡を取っていない提出した資料に数字の誤りが一つあった
推測相手は自分との時間をすべて嫌っていた同僚全員が能力を疑っている
自分への批判自分は誰にも大切にされない自分は何をしても失敗する
次にすること今週はSNSを見ず、友人との予定を守る数字の確認手順を一つ追加する

書き終えたら、次にすることが具体的かを確認してください。「前向きになる」では行動が決まりません。「SNSを一週間見ない」「提出前に数字を読み上げる」まで書けば、今日の予定へ戻れます。

ノートは毎日続ける必要はありません。考えが回り始めた日に三つの欄を使い、書き終えたら閉じます。書く時間まで長くなり、かえってつらくなる時は中止してください。

紙を閉じても思い出す回数が多い時は、写真や通知など、記憶を呼び起こすきっかけも減らします。

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SNSと連絡先から、思い出すきっかけを減らす

相手の投稿、過去の写真、昔のメッセージを毎日見る環境では、考える時間を区切りにくくなります。削除する決心がつかない時は、まず目に入らない場所へ移してください。

目に入るもの今できる対応安全上の注意
SNSの投稿ミュート、フォロー解除、検索履歴の削除監視や嫌がらせがある時は記録を残して相談する
メッセージ通知を切り、アーカイブへ移す脅しや執拗な連絡は削除前に保存する
写真や贈り物箱や別フォルダへ移し、見直す日を決める急いで処分して後悔しそうなら保留する
共通の知人からの話今は聞きたくないと伝える必要な連絡の方法だけ決める

距離を取る目的は、今日の睡眠や仕事を守ることです。写真や投稿が目に入る回数を減らし、落ち着いた後で、残すものと手放すものを改めて決めてください。

自分の行動を悔やんでいる場合は、見ない工夫で終わらせず、今から変えられることへ進みましょう。

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後悔は、次の行動を一つ決めて終える

後悔は、次の失敗を減らす材料になります。ただ、同じ場面を何度再生しても、具体的な行動が増えなければ今日の時間だけが減っていきます。

後悔していること今からできることしないこと
言いすぎた傷つけた点を短く謝る許してもらうまで連絡を続ける
確認を怠った確認項目を一つ追加する自分の人格まで否定する
断れなかった次に使う断り方を一文決める過去の自分を弱いと決めつける
機会を逃した似た機会を一件探す同じ条件が戻るまで待つ

謝罪や連絡は、相手の生活と安全も考えて決めてください。連絡を断られている時や、関係が危険だった時は、自分の罪悪感を軽くするためだけに接触しません。相談相手と次の行動を考えましょう。

相手を許せずに苦しい時も、結論を急ぐ必要はありません。

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許すかどうかは、今決めなくてよい

傷つけられた側が、無理に相手を許す必要はありません。許すかどうかは後で決められます。今は、相手との距離、連絡の方法、生活を守るための支援を確保してください。

怒りが残っているなら、その時に何を守りたかったのか、紙に書いてください。尊重、安全、時間、お金、信頼など、大切だったものが分かれば、同じ状況を避けるための条件を決められます。

守りたかったものこれから決められる条件
尊重人前でからかわれたら、その場を離れる
時間急な依頼には、予定を確認してから返事をする
お金貸し借りの上限と返済日を書面で決める
安全一人で会わず、連絡を保存して相談する
信頼相手の言葉と、約束が実際に守られた回数の両方で判断する

条件が決まると、過去の相手の考えを推測し続ける時間を減らせます。それでも場面が急に浮かぶ時は、思い出したことに気づき、今いる場所へ注意を戻します。

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思い出した直後は、目の前へ注意を戻す

つらい場面が急に浮かんだ時は、まず「今、過去の場面を思い出している」と言葉にします。次に、足の裏が床に触れている感覚を確かめ、今見えるものと聞こえる音を一つずつ選びます。最後に、途中だった作業を一つ再開してください。

順番すること言葉の例
1起きていることに名前をつける今、あの会話を思い出している
2体が触れている場所を確かめる両足が床についている
3今見えるものと音を選ぶ白い壁が見える、車の音が聞こえる
4次の作業を具体的に決めるメールの一行目を書く

WHOのストレス対処ガイドでも、難しい考えや感情に気づき、現在の感覚へ注意を戻す方法が紹介されています。今いる場所で、自分が次にする行動を選ぶために使います。

体の緊張が強い時は、呼吸や散歩など、体を使うストレス対処も役立ちます。

この方法を試しても、つらい記憶で生活が止まる時は、相談先と一緒に対応を考えてください。

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眠れない日が続く時は、一人で抱えない

過去の出来事が頭から離れず、眠れない、食べられない、仕事や家事が進まない、人に会うのが怖い。こうした状態が続く時は、医療機関や公的な相談窓口へ相談してください。

今の状態相談先の例伝えること
相談先が分からない厚生労働省「まもろうよ こころ」眠り、食事、仕事への影響
職場の出来事を繰り返し思い出すこころの耳、総合労働相談コーナーいつ、どこで、何が続いているか
強い恐怖や再体験が続く精神科、心療内科、地域の相談窓口思い出す頻度と体の反応
自分を傷つけたい気持ちがある緊急窓口、身近な人、医療機関今一人か、手段が近くにあるか

相談する時に、きれいに説明する必要はありません。「同じ場面を毎日思い出す」「三日眠れていない」「仕事へ行けない」と、今起きていることから伝えてください。自分を傷つける危険が迫っている時は、一人にならず、119など緊急の助けを求めましょう。

夜に一人で反省が止まらない方は、ひとり反省会への対処も続けて読めます。

今日できることは一つで構いません。未解決の問題へ一件対応する、考える時刻を決める、SNSをミュートする、相談先を一つ開く。その行動が終わったら、食事や睡眠など今日の生活へ戻ってください。

過去への執着を手放した後も、出来事は記憶に残ります。変わるのは、思い出した後に今日の時間を選べるようになることです。一度でも今日の予定に戻れたら、その時に使った方法を次にも試せます。

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参考情報

反すう、ストレス対処、認知行動療法、公的な相談先について、次の資料を参照しました。

ご注意:この記事は一般的な情報提供を目的としています。不眠、食欲の変化、強い落ち込み、つらい記憶の再体験、自分を傷つけたい気持ちなどが続く場合は、医療機関や公的な相談窓口へ相談してください。

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この記事を書いた人

癒しとくつろぎの杜 編集部は、日々の疲れや人間関係の悩みに寄り添い、心と体をゆるめる考え方、暮らしの整え方、休み方のヒントをお届け。誰もが自分のペースを取り戻せるよう、やさしく実用的な情報を発信していきます。

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