昼食の片づけが終わり、やっと座ろうとしたところで、洗濯物や夕食の買い物を思い出す。家族が帰るまでの30分を自分に使いたいのに、「先に家事を終わらせたほうがいい」と立ち上がってしまう。こうして、自分の予定は何度も後回しになります。
自分時間を確保するには、罪悪感が消えるのを待たず、今日中に必要な家事と明日でもよい家事を分けます。そのうえで、20分から30分を家の予定として先に確保してください。
この記事では、罪悪感が生まれやすい状況を確かめた後、家事の終え方、自分時間の予定への入れ方、家族への伝え方を順に紹介します。いま休む直前で迷っている方は、「今日の家事を終える時刻を決める」から読めます。
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罪悪感が出る理由を家の中の仕事から確かめる
まず確認したいのは、家事の量と終わりのなさです。掃除や片づけは、手をつけようと思えばいくらでも続けられます。家族の予定を覚え、足りない日用品に気づき、食事の段取りを考える作業も、時間として見えにくい家事です。
次の表に、いまの生活に近い項目があるか確かめてください。罪悪感を性格だけの問題にすると、休み方を変えても同じ迷いが続きます。
| いま起きていること | 休む直前に考えやすいこと | 先に変えること |
|---|---|---|
| 家事の終わりを決めていない | まだやることがある | 今日終える家事を三つまで決める |
| 自分の予定だけ共有していない | 家族の都合を優先したほうがよい | 開始時刻と終了時刻を伝える |
| 家族が家事の全体を知らない | 自分が休むと家が止まる | 家事の内容と回数を書いて分担を相談する |
| 収入がない、または少ないことを気にしている | 自分のために時間やお金を使いにくい | 家計と自由に使える金額を一緒に決める |
| 家族の中で休む時間を予定にしていない | 自分だけ休むと怠けている気がする | 休む時間も予定表へ書く |
内閣府の男女共同参画白書では、6歳未満の子どもがいる家庭の家事関連時間について、2021年時点で妻の分担割合が、妻が無業の家庭で84.0%、共働き家庭でも77.4%と報告されています。家事や育児を多く担っている人ほど、自分の予定を入れる前に、家庭内の仕事量を確認する必要があります。
当てはまる項目が分かったら、今日の家事をどこで終えるか決めましょう。
今日の家事を終える時刻を決める
「全部終わったら休む」と決めると、休む時刻は遅くなります。最初に、自分時間を始める時刻を置き、その時刻までに終える家事を選んでください。
迷った時は、今日中に必要なこと、明日へ回せること、家族に頼むことの三つに分けます。家庭の事情に合わせて、次の例を書き換えて使えます。
| 分け方 | 例 | 決め方 |
|---|---|---|
| 今日中に必要 | 夕食、服薬、期限のある連絡 | 必要な量だけ終える |
| 明日へ回せる | 洗濯物をたたむ、棚を片づける、急ぎでない返信 | 明日の時刻を決めて移す |
| 家族に頼む | 食器を下げる、ごみをまとめる、入浴後に浴室を洗う | 人と期限を具体的に伝える |
| 今週やめる | 品数を増やす、毎日の念入りな掃除、予定外の買い物 | 一週間試して困るか確認する |
夕食を簡単にする日があっても、明日へ回す洗濯物があっても、生活にすぐ支障が出ないなら、その日はそこで終えます。決めた時刻になったら、家事の途中でも休みに入ってください。
終える時刻が決まったら、次は休む時間を予定表に書きます。
20分から30分の自分時間を先に予定へ入れる
最初は、20分から30分を確保します。いつ始め、いつ終えるかを決めておけば、家族にも伝えやすく、次の家事へ戻る時刻も分かります。
| 取れる時間 | 過ごし方の例 | 終わり方 |
|---|---|---|
| 10分 | 椅子に座って飲み物を飲む、目を閉じる | タイマーが鳴ったら予定を確認する |
| 20分 | 本を読む、入浴する、近所を歩く | 次の家事を一つだけ決める |
| 30分 | カフェへ行く、趣味に手を動かす、友人と話す | 帰る時刻や通話を終える時刻を決める |
| 1時間以上 | 家族と予定を調整し、一人で外出する | 移動時間まで予定に入れる |
自分時間の途中で家事を思い出したら、メモに一行だけ書き、決めた終了時刻までは戻りません。休みながら洗濯物をたたむと、体は座っていても家事は続いたままです。
疲れ方に合う休み方は、セルフケアの記事でも具体的に紹介しています。
自分時間を予定へ入れたら、家族には開始時刻と戻る時刻を伝えます。
家族には開始時刻と戻る時刻を伝える
家族へ長く説明すると、大ごとを頼んでいるように感じやすくなります。伝える内容は、いつから、何分休むか、その間に急ぎがある時はどうするかの三つで足ります。
| 相手 | 伝え方の例 |
|---|---|
| パートナー | 「16時から30分休むね。夕食の準備は16時半から始めるよ」 |
| 子ども | 「タイマーが鳴るまで本を読むね。急ぎなら声をかけて」 |
| 同居する家族 | 「15時半まで部屋で休むね。買い物の相談はその後に聞くよ」 |
| 介護中の家族 | 「次の薬の時間まで休むね。必要な物はここに置いてあるよ」 |
毎回許可を求める形にすると、相手の返事によって休めるかどうかが決まります。家族の安全や急ぎの用事を確認したうえで、自分の予定として時間を伝えてください。
家事の偏りそのものが自分時間をなくしている家庭では、伝え方だけでは解決しません。次は、誰が何を担うかを具体的に相談します。
家事分担は内容と回数を決めて相談する
負担になっている家事の内容、週に何回あるか、いつまでに終えたいかを書き出します。その中から家族に頼みたいものを選び、担当を相談してください。
| 家事 | 今の負担 | 相談する内容 |
|---|---|---|
| 夕食後の片づけ | 毎日一人で洗う | 交代制にする、食器を各自で下げる |
| 洗濯 | 洗う・干す・たたむ・しまうを一人で行う | 各自の衣類は各自でしまう |
| 買い物 | 在庫確認から注文まで一人で考える | 共有リストへ家族が追加し、週一回まとめて注文する |
| 子どもの準備 | 持ち物を毎晩確認する | 本人が確認し、保護者は最後だけ見る |
| 通院や介護 | 予約と付き添いが一人に偏る | 家族と交代日を決め、難しい日は外部支援を調べる |
話す時は、直近の一週間で困った場面を一つ選びます。「火曜は夕食後の片づけで休めなかった。来週から火曜と木曜をお願いしたい」のように、曜日と家事の内容まで伝えると相談しやすくなります。
頼みごとをどこまで小さくすればよいか迷う方は、こちらの記事も参考にしてください。
分担を相談しても、休んでいる間に罪悪感が戻る日もあります。そんな時は、三つだけ確認します。
罪悪感で休めない時に三つだけ確認する
休み始めてすぐ家事へ戻りたくなったら、次の三つを確認してください。頭の中で答えにくい時は、紙に一行ずつ書きます。
| 確認すること | 答えの例 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 今日中に終えないと誰かが困るか | 洗濯物は明日でも困らない | 決めた時刻まで休む |
| 休まないと明日に何が残るか | 疲れたまま夕食を作ることになる | 20分休んでから始める |
| 家族にも休む時間があるか | 家族は帰宅後に動画を見る時間がある | 自分の休みも予定として確保する |
罪悪感がなくならなくても、タイマーが鳴るまでは休みます。何度か同じ時間に休むうちに、家族もその予定を把握できるようになります。
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休む時間を作っても、疲労や孤立が続く時は、家庭の外へ相談します。
疲れや孤立が続く時は家庭の外へ相談する
眠れない、食欲が落ちた、涙が止まらない、家事や育児ができない状態が続く時は、医療機関や公的な相談窓口へ連絡してください。自分時間を増やしても回復しない状態は、専門家へ相談する目安です。
相談先は、困っている内容で選べます。連絡する時は、いつから困っているか、睡眠や食事の状態、家事・育児・介護への影響を伝えてください。
| 困っていること | 相談先 |
|---|---|
| 育児の疲れ、預け先、親子関係 | 自治体のこども家庭センター、こども家庭庁の相談案内 |
| 介護の負担、サービスの利用 | 地域包括支援センター |
| 眠れない、強い不安や落ち込み | 医療機関、厚生労働省の公的相談窓口 |
| 家事や育児の分担、生活費 | 家族での話し合い、自治体の家庭相談 |
自分を傷つけたい、消えてしまいたい気持ちがある時は、一人で過ごさず、身近な人や緊急の相談先へ連絡してください。
今日の自分時間を決める
最後に、今日の予定を一つ決めます。次の表を埋め、家族へ伝えるところまで進めてください。
| 決めること | 記入例 |
|---|---|
| 今日中に終える家事 | 夕食と服薬の準備 |
| 明日へ回す家事 | 洗濯物をたたむ |
| 自分時間 | 16時から16時30分まで本を読む |
| 家族へ伝える言葉 | 「16時から30分休むね。夕食はその後に作るよ」 |
| 次に相談する分担 | 火曜と木曜の食器洗い |
今日の自分時間も、家族の予定や家事と同じく、生活に必要な予定として入れます。まず開始時刻を決め、カレンダーやメモに書いてください。
参考情報
家事・育児時間の分担と、育児・介護・こころの相談先について、次の一次情報を参照しました。
本ページは一般的な情報提供を目的としています。心身の不調が続き、日常生活に影響が出ている時は、医療機関や公的な相談窓口へ連絡してください。

